施餓鬼会

「お寺からお米を持ってくるようにって手紙が届いたけど、施餓鬼会せがきえって何?」「そもそも施餓鬼会なんて行事知らない。」と、お盆くらいは知っているけど、施餓鬼会自体を知らない、出席したこともないという方が多いようです。
施餓鬼会は、「慈悲心(楽を与え苦を抜く、助け合いの心)」により、自分のことばかり考え餓鬼道に落ちた餓鬼を救い、これによる功徳くどくを先祖や有縁無縁うえんむえんの一切の精霊に廻向し、さらにこの大功徳により世界の全ての人々と共に救われたいと願う自利利他円満の「慈悲心」を象徴する法会ほうえです。
自分のことばかりになりがちな現代社会において、慈悲心を考える機会は貴重なはずです。
今回は施餓鬼会がどういうものなのかを、解説しようと思います。

施餓鬼のお話

(『仏説救抜餓鬼陀羅尼経』要約)
昔々、お釈迦様の弟子に阿難(あなん)尊者という方がおられました。阿難尊者は「多聞第一」と呼ばれるほどのお釈迦様の高弟です。
ある夜、阿難尊者が森の中で禅定に入っていると、焔口えんくという大変醜い姿をした餓鬼がきが突然現れました。
焔口は「お前の寿命はあと三日で尽き、お前も餓鬼道に落ちるであろう。」と告げたのです。
驚いた阿難尊者は「どうすれば、餓鬼道に落ちずにすむのだ。」と焔口に尋ねます。
すると焔口は「無量無数の餓鬼にたくさんの飲食を施し三宝を供養すれば、お前の寿命は増し、餓鬼道から脱することができる。」と答えたのです。
お釈迦様にこのことを相談すると、お釈迦様は
「私は過去世において観世音菩薩から無量威徳自在光明殊勝妙力という陀羅尼(短い呪文)を授かった。これを唱えると無量の餓鬼に極上の飲食を施すことができる。さらに五如来に帰依し三宝を供養したなら、一切の餓鬼もこの功徳によって天上に生まれることができる。この法は、誰にでも大功徳をもたらす。弘めて広く行わしむるがよい」
とおっしゃったのです。
阿難尊者は、この陀羅尼の力によって無量無数のたくさんの餓鬼に極上の飲食を施すことができました。そして、飲食を施された餓鬼達は飢えの苦しみから脱がれることができ、阿難尊者はその功徳で寿命を延ばすことができたのです。

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このお話のように餓鬼たちを救い、また密教の五如来の強い力によって餓鬼たちを成仏させることにより得られる功徳を、さらにご先祖様や有縁無縁の一切の万霊ばんれいに廻向し、さらにさらに深甚広大な大功徳を得て世界の全ての人々と共に救われたいと願う自利利他円満の法会ほうえです。

まさに「慈悲心(楽を与え苦を抜く、助け合いの心)」を象徴する儀式です。

餓鬼とは

餓鬼とは、昔のインドの言葉で「プレータ」からきたといわれ、原義は「去ったもの」といわれます。つまり、餓鬼とは「死霊」もしくは「社会からはじきだされた過酷な悲惨な立場の人々」のことです。
そして特に、自分の所有物をおしみ(けん)他人の所有物を貪った(どん)罪により餓鬼道に落ち、飢餓に苦しみ子孫の供物を待つ供養されない死霊のこととされます。

餓鬼道の苦しみは、「さかさまにぶら下げられる苦しみ」といわれる非常な苦しみです。

施餓鬼会の時期

くわしく分けますと施餓鬼会には、日ごろ行う小施餓鬼会と、一年に一度行う大施餓鬼会に分けられます。一年に一度行われる大施餓鬼会はお盆の時期に行われことが多いようです。

これは「施餓鬼のお話」(『仏説救抜餓鬼陀羅尼経』)を弘法大師が日本にお伝えになり、餓鬼道から母親を救うお盆のお話(お盆参照)と組み合わさったことによるようです。

千手院の大施餓鬼会(だいせがきえ)もお盆に近い毎年7月22日に行われています。

しかし、現在では7月8月の非常な暑さもあり、気候の良い時期に大施餓鬼会を行うこともあります。

千手院の施餓鬼会は

①壇信徒の方々にお米などをお寺に持って来ていただき供養し、お寺からは軽食をお出しして供養し、互いに施し合い
②自分の利益ばかりを考えて餓鬼道におちた餓鬼を救う法会を執り行い
③その功徳と塔婆供養の功徳をご先祖様や一切の万霊ばんれいにも廻向し
④さらにこの深甚広大な功徳により世界の一切の人々と共に救われたいと願う

このような慈悲心により自利利他の利益を円満する法会です。

施餓鬼会はたくさんの方々が千手院にお集まりになって、千手院最大の年中行事となっています。
人々の人情が薄れ自分のことばかりを考えがちな現代社会において、慈悲心(楽を与え苦を抜く、助け合いの心)を再確認する施餓鬼会の重要性は増しています。
世間に暮らす人々全てが慈悲心を持つと、この世は浄土になるはずです。

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千手院施餓鬼会参加の流れ

(令和3年は参列できません。Youtube生配信をご利用ください。)

今回は「お寺から施餓鬼会(せがきえ)の案内は来るけれど、参加の仕方が分からない。」、「今年は先祖供養のためにも参加したいけど、どうやって参加するんだろう?」という方のために、毎年7月22日に千手院にて行われる施餓鬼会法要への参加の流れをご案内します。

<7月初旬>お盆・施餓鬼会の案内が届く。
・7月に入ると、千手院から壇徒の方にお盆・施餓鬼会のご案内をお送りしています。
・ご案内と一緒に、施餓鬼会塔婆申し込み袋が一緒に入っています。



<7月初旬~15日まで>施餓鬼会塔婆の申し込みをする。

・直接お越しいただきお申込みいただくか、専用はがき、FAX、または塔婆申し込みフォーム,よりお申込みください。
・塔婆供養料は施餓鬼会当日、または後日にお持ちいただければ結構です。
・お電話・FAXでのお申込みの場合、「建立者名」、「○○家先祖代々、または○○霊位」、「塔婆の大きさ(普通塔婆・大塔婆)」をお知らせください。
・たくさんのお塔婆をお書きする都合上、7月15日頃までにお申し込みいただきますようお
願いいたします。



<7月22日当日>
千手院に向かう。

・施餓鬼会当日は、たくさんの方がいらっしゃいますので、駐車場の制限をさせていただきます。公共交通機関をご利用になりますようお願いいたします。
・施餓鬼会法要は午後1時からですが、正午からは法話がはじまります。時間に余裕をもってお越しください。
<持ち物>
・施餓鬼供養米 ・塔婆供養料  ・念珠 ・袈裟(お持ちの方のみ) ・お供物(お持ちくだされば、お供えいたします。)

お墓の掃除をしておく。

・施餓鬼会法要終了後は、お墓も込み合い水桶なども出払ってしまいますので、受付前にお墓のお掃除を終えてしまうことをおすすめします。

受付(午前11時開始)

・受付では、施餓鬼供養米をお出しください。
・塔婆供養料をお持ちの方は、こちらでお出しください。

お弁当を頂く。

・お寺からのご供養としまして、皆さまにお弁当をお出ししています。
ご家族お揃いでお召し上がりください。

法話を聞く。(正午より約30分間)

・正午から、本堂にて法話が始まります。

施餓鬼会法要が始まる。(法話終了後)

・法話終了後、本堂にて法要が始まります。
・1時間程度の法要となります。
・法要中には、僧侶が仏様の足元に散らすため花びら(散華)をまきます。どうぞ、お持ち帰りになり、仏縁をお結びください。

法要後、塔婆を受け取り、お墓にお参りする。

・法要が終わりましたら、境内に塔婆をお出しします。お受け取りになり、お墓へお持ちください。
・欠席や体力的に塔婆をお墓にお持ちになれない場合、翌日以降にお立ていたします。
・お参りが終わりましたら、施餓鬼会終了です。気を付けてお帰り下さい。

救われ難い餓鬼を救う施餓鬼会の功徳は、昔から甚深多大なものと言われています。
その功徳は、ご先祖様に廻向するだけでなく、願うものの長寿にご利益があると言われます。
この功徳にあずかるため、どうぞご家族・ご親戚お誘いあわせの上お越しください。

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